<布を染める> |
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柿渋には防虫効果があり、染め上がりは布の強度を高める効果もあるので労働着の染料として頻繁に使用されていました。山伏の着る法衣も柿渋染であったそうです。現在では、独特の染めむらや自然の風合いが好まれ草木染めのひとつとして染色愛好者に人気のある染料です。 |
<漁網を強化する> |
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漁に使う綿糸の網を柿渋につけておくと耐水性が強化され網が丈夫になります。また、網さばきもよくなるそうです。船体の腐食を防ぐため、漁船にも塗っていました。 |
<酒を濾過する> |
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酒造所では酒を絞る酒袋に柿渋を塗って布地を強化したり、木桶・木製の醸造道具に柿渋を塗って耐久性・撥水性を増強したりしていました。そして柿渋には清酒に含まれる未分解淡白質を沈殿させ除去する働きもあります。絞りたての酒は白く濁っていますが柿渋を混ぜて濾過することで清澄な酒ができるのです。この濾過方法は現在も利用されています。 |
<塗料として建物や漆器の下地に塗る> |
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建物や汁器に漆を塗る下仕事にまず柿渋を塗ります。また、ベンガラと混ぜて塗料として使用したものは天井板や格子に塗られます。現在、人体に害のない自然塗料として再び柿渋が見直されています。 |
<紙に塗る> |
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防水効果を利用して染色用の型紙や糊筒、和傘、雨合羽などに塗られていました。 |
<柳行李に塗る> |
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富山売薬さんのトレードマークである柳行李にも表面に柿渋が塗られています。丈夫な柳行李は厳しい風雪にも耐え、薬の品質を守りました。また、売薬さんの柳行李の中身に目を移せば薬袋やおなじみのおまけ「紙風船」も柿渋紙で作られていました。紙の糊付けには蕨を原料とする蕨糊が使われていましたが、この蕨糊にも柿渋が含まれていたそうです。 |